検出器を用いる量子ビット測定を「ダイナミクス」として理解する

中ノ 勇人 氏 and 角柳 孝輔 氏

NTT物性科学基礎研究所




量子系の射影測定は教科書的には、被測定系の状態が測定量の固有状態のひとつに瞬間的にジャンプするかのように説明される。しかし、現実の測定では、検出器を用いて被測定系と相互作用させその後の検出器の状態を測定することで被測定系の状態を推測する、というのがほとんどの場合である。我々は、超伝導量子ビットの状態をジョセフソン分岐増幅器を検出器として測定する実験を行なっている。このたび、その測定過程を、量子ビット-JBA合成系の量子力学的な時間発展として理論的に解析し、その結果を確かめるための実験も行ない、理論と実験の対応に一応の整合性を得たのでそれを報告する。