-----連携の簡単な経緯-----


 研究打ち合わせは主に廣川が筑波のNECグリーンイノベーション研究所(旧ナノエレクトロニクス研究所)、厚木のNTT物性科学基礎研究所、神保町の国立情報学研究所、大岡山の東工大に足を運んだり、鹿野氏が岡大に足を運び行って参りました。公開形式のものでは、全体が岡山に集い「岡山数理物理セミナー」の特別企画『超伝導回路で実現する cavity QED の世界』と題し、2009年11月17日に岡山大学理学部1号館25番講義室において といった公開研究集会を行いましたが、この度の研究集会はそれ以来の公開形式のものとなります。

 また、廣川がセミナーの形で といった発表を行い、細々とですが研究交流を継続して来ております。

 「人工原子と光の相互作用を利用した量子デバイスのモデリング」と言う課題名は、現在廣川が客員として参加している、マルセイユのルミニにあるCentre de Physique Theorique UMR6207(CPT) とベルリンにあるWeierstrass Institute for Applied Analysis and Stochastics(WIAS)の間で行われている共同プロジェクト研究のものです。

 ヨーロッパの数学・数理科学研究機関においてcircuit QEDの数学的側面及びそこから派生する物理的問題についての招待講演、また、量子ドットやジョセフソン接合を意識した数学についてのポスター発表等を以下のように行って来ました。現在、廣川が仏独で担当しているのは、CPT-UMR6207では、人工原子を用い光源を作成したときの温度の影響をNESSの観点から調べるモデルを模索し、対象とする物性を計算すること;WIASでは、人工原子を使った熱の発生を抑えた光源創成のモデリングなどを行うこと、です。日本の数学・数理科学の世界にどの程度貢献ができるかは分かりませんが、この分野の紹介が少しでもできればと思っています。